フィボナッチ比率とは、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見した「フィボナッチ数列」から導き出される比率のことです。
この比率は、自然界の様々な現象や芸術作品に見られる「黄金比」に収束するという特徴から、テクニカル分析の世界でも広く応用されています。
フィボナッチ比率の算出方法
フィボナッチ数列は、「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…」のように、前の2つの数字を足して次の数字を導き出す数列です。この数列の隣り合う数字の比率を計算すると、特定の数値に収束していきます。

主なフィボナッチ比率は、以下のようにして算出されます。
- 0.618(61.8%): 任意の数字をその次の数字で割る(例: 55 ÷ 89 ≈ 0.618)
- 0.382(38.2%): 任意の数字をその2つ後の数字で割る(例: 34 ÷ 89 ≈ 0.382)
- 0.236(23.6%): 任意の数字をその3つ後の数字で割る(例: 21 ÷ 89 ≈ 0.236)
また、これらの比率の逆数や平方根なども分析に用いられます。
投資におけるフィボナッチ比率の応用
フィボナッチ比率は、主に相場の「押し目(一時的な下落)」や「戻り(一時的な上昇)」の目安を予測するために使われます。
- フィボナッチ・リトレースメント:
- トレンドが発生した際、その起点から終点までの値幅を100%として、途中の戻り(リトレースメント)がどのレベルで反発するかを予測するツールです。
- チャート上に高値と安値を結ぶと、0.236、0.382、0.500、0.618、0.786といった比率のラインが自動的に描画されます。
- これらのラインが、多くのトレーダーに意識される**「サポートライン(下値支持線)」や「レジスタンスライン(上値抵抗線)」**として機能することがあります。
- フィボナッチ・エクスパンション/エクステンション:
- トレンドが継続する場合、どこまで値が伸びるか(エクスパンション/エクステンション)を予測するツールです。
- 1.618や2.618といった100%を超える比率が使われ、今後の利益確定の目安として利用されます。
フィボナッチ比率は、単独で使うよりも、他のテクニカル指標(移動平均線、RSIなど)や、水平線のサポート・レジスタンスと組み合わせて使うことで、より精度を高めることができます。

